大量保有報告書/変更報告書(5%ルール)に関する法令

過去に一度まとめたことがあるのですが、いろいろと

誤解があったので、修正版を以下にまとめてみました。



[07/05/05] 法改正により内容が古い点を青字で修正しました。


○通常の大量保有報告書/変更報告書の提出期限



・保有割合が5%以上となった日から5日以内。(休日等除く)

・保有割合が1%以上増加/減少した日から5日以内。(休日等除く)

・最近60日間の取得/処分の状況(短期大量譲渡の場合は譲渡先)、取得資金の記述要。



○次の場合は「特例対象」となり、報告期限が緩和される。



・証券会社、銀行、信託会社、保険会社、投資信託委託業者、投資顧問業者、農林中央金庫、商工組合中央金庫、銀行等保有株式取得機構預金保険機構が保有している場合



ただし、以下の2つ3つの場合は緩和されず、通常と同じ。



会社の事業活動を支配することが保有の目的である場合。

・株券の保有割合が、10%以上の場合。

・重要提案行為を行うことが保有の目的である場合。



 注)重要提案行為とは、事業活動に重大な変更を加えるか、重大な影響を及ぼす行為




特例対象の大量保有報告書/変更報告書の提出期限



・保有割合が5%以上であった基準日の翌月15日まで5日以内(休日等除く)。

・保有割合が1%以上増加/減少していた基準日の翌月15日5日以内(休日等除く)。

・最近60日間の取得/処分の状況、取得資金は記述不要



 注)基準日は、3ヵ月毎の月末で各々が決めることが可能。

 注)基準日は、以下の組合せのどちらかを選択できる。

   (a)各月の第2/第4月曜日(第5がある場合、第5も)

   (b)各月の15日/末日(土日の場合、前の金曜)




これより、機関投資家の動向を確認する上で留意すべき点は以下。



→ 保有割合が10%未満であれば、基準日が到達するまでの間

 (最大3ヶ月5営業日)の取得の状況(売買履歴)は、公開不要。

  基準日にて5%未満であれば、取得の事実も公開不要。



→ 保有割合が10%以上となると、特例措置は無くなり、5日以内に

  取得の状況も含めて、報告義務がある。



つまり、3ヶ月毎の月末以外で、9.9%まで買った後、高値で4.9%まで

売ってしまえば、財務省に報告する義務は全く無いはずです。



私が懸念しているのは、共同保有に関する規定が曖昧のように思える点。



実は裏で手をつないでいるのに、異なる基準日を報告している機関投資家が

連携した場合、10%以上の保有を財務省への報告なしに行うことが可能に

なっている気がしますが、気のせいでしょうか。(^^;




○参考URL / e-gov・金融庁

証券取引法

証券取引法施行令

株券等の大量保有の状況の開示に関する内閣府令

公開買付制度等ワーキング・グループ(第6回)関係資料[PDF]

コメント

  1. マイスター より:

    5%ルールで疑問に思ったことがあるのですが、
    会社が発表する期末の大株主データに5%以上保有している機関投資家の名前が有るのに、
    財務局には大量保有報告書が提出されていない場合、
    一時保有で、3ヵ月毎の基準日には5%以下まで売ってたと見て間違いないのでしょうか?

  2. gotospace より:

    マイスターさま

    そのケースでは、お書き下さった

    ・一時保有で、3ヵ月毎の基準日には5%以下まで売った

    場合に加えて、

    ・株主名簿にはカストディアンが載っていて、
     そのカストディアン経由で複数の投資家/機関が取得

    の事例も考えられるかと思いますが、
    前者の可能性の方が、非常に高いと思われます。

    尚、BONYクライアントEISGだと、タワー投資顧問の他に、
    ハルバディア等もユーザであることが分かっています。

  3. REIT初心者 より:

    すみません、教えてください!
    まったくの初心者で、良く理解が出来ていないのですが、なぜ、ProspectAssetManagementの
    大量保有報告は、いきなり27%なんですか??

    特例に該当しているから、ということなんでしょうか・・・??

  4. gotospace より:

    >REIT初心者さん

    それは、今年の1/1付の証券取引法の改正で、
    J-REITも、大量保有報告することになったからです。

    去年までは、27%保有していても、報告の
    必要はありませんでした。

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