左の図は、2005年度以降の郵貯資金の運用状況です。
預貯金残高の減少と共に運用総額も減少し、財投の預託金が順調に減る一方で、国債(JGB)の残高が増加しています。
ここまでは当り前の内容かと。今まで知らずにいて驚いたのが、左の図です。
外国債と金銭の信託(信託銀行や投資顧問経由での国内外株式・債券運用分)の残高のみを表示して見ると、様相が異なります。
今年(2007年)に入ってから残高が激減しています。7月末時点で3兆円以上と半分以下に減っています。
運用委託先のセクター配分を見てもTOPIXとほぼ同じですし、パフォーマンスよりもポジションを縮小の影響が大きいと思われます。
理由は、10月からの民営化以降に、民営化前の貯金に対する運用方法に適用される郵便貯金・簡易生命保険管理機構法(第二十八条)にて、外国債と株式運用が許可されていないためと思われます。
簡保の運用方法は第二十九条で規定されており、こちらは郵貯と異なり外国債と株式運用が可能で、上の図のような急激な残高減少は起きていません。
まとめると、以下のような感じかと。
9月末までは、郵貯の日本株・外国株売り、外債売りが継続する。
10月以降は、新たに獲得した預貯金は上記法律の適用外のため、徐々に新たな独自のアセットアロケーションに基づき運用されていく。
ちなみに、郵貯が投資一任契約を結んでいる投資顧問は、
シュローダー投信、大和住銀投信、日興AM、
三井住友AM、ブラックロック、UFJAMです。
郵貯の日本株・外国株・外国債売り

コメント
な、なるほど。
郵貯の民営化って、資金の運用方法にも影響を及ぼすんですね。勉強になりました。
となると、やはり9月中よりは10月以降のほうが株価にはポジティブになるという感じがしますね。
いつも拝見しております。
「naga2383の辛口トーク」の2007/08/05で語られてた件の裏づけがとれました。 ありがとうございます。
この件に「サブプライム問題」がぶら下がっていたら、先物業者のやりたい放題がしばらく続くのはやむを得ないですねぇ。。。
ゆうらくさん、どもです。
公的年金(GPIF)も今秋から小型化投資を検討中というニュースもありましたし、みんな9月は様子見なんですかねぇ(^^;
でも一方で、日銀の保有株売り出し開始も10月からですし、どうなることやら…。(^^;
おじゃまんBowさん、こんばんは。
いえいえ折角調べたので勿体無くて…。
知らなかったのは私だけ?とびびりながら書きました^^
投資信託の出来高を調査していたときに浮かんだ疑問がやっと晴れました。2年間もだらだらと誰が解約しているのか不思議に思っていたんです。個人向けの確定拠出年金は増えていて、その他の投信はほぼ全て減少ですから。新興国ファンドへの資金流失も考えたのですが、個人の資金量とは思えないボリュームですし。時期とボリュームを考えればピッタリですね。うーむ、郵貯が犯人だったのか...
gotospaceさん、貴重な情報を有難う御座います。
gotospaceさんが推理小説の名探偵みたいに思えてきました。
謎が解けてすっきりしました。今夜からぐっすり眠れそうですw
jijiさん、どうもです。
投資信託の出来高(口数?)なども調査されているのですね。
個人向けの確定拠出年金は増加ですかぁ。
また興味深い情報を見出せたらコラムにしたいと思っています^^
通りすがりのものですが驚きました。
最近は外国人も積極的な買いも売りもせずに
いるので本当に相場の方向性がつかめません。
http://www.traders.co.jp/stocks_data/data/investment/investment_3.asp
ここ数年、ずっと外人買いが上回っていたというのに、、、一体何を指標にすればいいのか。
daimongさん、こんばんは。
本業がどたばたしておりお返事遅れました。m(_ _)m
8月の外国人の売りこしは1兆円ですか…。
今後の推移に注目したいと思います。
はじめまして、こんばんは
始めてこのブログに伺ったのですが、とても参考になりました。記事だけでなく、検索ツールもかなり充実していてびっくりです。個人でこのブログを運営されているのでしょうか、これから遊びに来させて頂きます。よろしくお願いします。
yurakuさんも来てるんですね(笑
かえるさん、はじめまして^^
ゆうらくさんとお知り合いでしたか…(^^;
個人で細々とやっておりますが、末永くよろしくお願いいたします。
始めまして。
添付のグラフで気になったのですが、
郵貯資金の運用状況のグラフを見ると、郵貯にはもう国債を買い支える余力が無くなったように見えます。あと1年分くらいは買い支えの余力はあるようですが。
これって、日本の財政的にはどうなんでしょう?
3年間で約50兆円の国債を新規に引き受けていますが、今後はこのペースで引き受けられないですよね。さらに、郵貯の資金残高自体がこのペースで下がっていけば、国債売却の動きにもなりかねないです。
welpalさん、始めまして。
郵貯の預金残高の減少分は、基本的には、個人向け国債と投資信託に流れているものが多いと思われるので、トータルとしての国債引受力に劇的な変化は無いような気がしています。
逆に日銀の引き受けが増えるかなと思いましたが、2006年以降は、国債の保有残高を減らしてきているので驚いています。
自分の中での解釈がまとまったらコラムにしたいと思います。